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僕だけがいない街 第9話「終幕」 & 第10話「歓喜」感想

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加代母:「お母さーん・・・!」

悟:それは自分への哀れみの涙だったんだろう

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すがって泣く母を持たない加代は、そんな母をもう見ていなかった

 

ついに加代編解決へ、加代母との直接対決の場面になりました。
物語的には、真犯人の殺人鬼がラスボスとすると、加代母は中ボスくらいな感じでしょうかね。

この毒母は、まともに理屈が通じる相手ではないので、加代を救い出すのも難しい。 
八代先生は、児童相談所の職員だけでなく、切り札として加代母の母(加代の祖母)を連れてきていました。

「お前が悪い!」と責めてみても、こういう人はどうにもならないですからね。 
(逆切れして余計感情的に収まりがつかなくなるだけ)。 

八代先生が加代母攻略のため考えたのは、善良そうなおばあさんを連れてきて、「寂しかったべ 辛かったべ」と泣き落としする作戦でした。

「お前が悪い」と言っても感情的な反発が強くなるだけですから、「お前は悪くないんだよ」と優しく言ってあげることで、感情的な落としどころを作ってあげたということでしょうね。

茶番のように見えますが、八代先生の計略通りこの毒母も「お母さーん!」と老母に縋り付いて泣きわめき、加代を解放する流れにうまく乗せることができました。

加代母も、加代が幼いころはまだかわいがっていた時期もあったみたいなのですが・・・。 
元夫の暴力が酷くて(ボコボコに殴られていた)、離婚して、一人で加代を育てなくてはならなくなったあたりからおかしくなって行ったんでしょうかね。

原作にはなかったのですが、別れたDV夫と加代の顔(目のあたり)が似ている? ような描写がアニオリで追加されていました。 
暴力夫にボコボコに殴られ続けていたことの怒りを、加代にぶつけるようになったということでしょうか。 
(心の穴を埋めるための代償行為のようなもの?) 

 

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八代先生:我々を動かしたのはお前だ、悟

悟のとった勇気ある行動の結末が

「悲劇」でいいはずないだろ

加代はもう大丈夫だ

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悟:俺には父親の記憶がほとんどないけれど

父親の言葉ってこんな感じなんだろうか

 

今まであまり出番がなくて影が薄かった八代先生ですが、今回は大活躍でした。
「悟のとった勇気ある行動の結末が、悲劇でいいはずないだろ」と悟に言いました。

29歳の悟とこの頃の八代先生は同じぐらいの歳のようですが、思わず悟は八代先生の姿に「父親」を重ねて見ているようですね。

 

 

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悟:ついに俺は加代を救った

その命を未来へとつなげた

ここから先は加代自身が足跡を刻んでいく

加代の向かう未来が明るい場所であることを俺は信じる

 

サブタイが「終幕」となっていましたが、これで「雛月加代事件」は無事解決ということでしょうか。
(なんか最終回みたいなサブタイですが・・・)。
加代の出番もこれで終了? なんでしょうかね。
(もう「バカなの?」も出てこないんでしょうか・・・)。

原作では、このあと加代は祖母の家からバスで小学校に通うことになって、悟たちのクラスにひょっこり戻ってくるのですが、どうやらアニメではその辺はカットされるみたいですね。 
(加代が戻ってくる場面があればまだ何度か「バカなの?」が出てくるはずですが、残り話数的には加代の出番はもうほとんどなさそう)。

加代はいいキャラなので、ここで退場させてしまうのは惜しいですね。 
(できたら加代には最後まで物語の本筋に絡んできてもらいたかったけど・・・)。

原作では、この加代との別れから真犯人との最終決着までがちょっと長すぎるかなと思うんですよね。

原作読者としての単純な感想ですが、雛月加代事件の解決と真犯人との決着がほぼ同時ぐらいの方が、自分的には分かりやすくてよかったかなと思うんですが・・・。 
(まあそれだとありきたりで意外性が減ってしまうかもしれませんが)。

アニメ版ではここまでかなりゆっくりペースで、原作に忠実でしたが、もし残り話数で原作の最後までやるとすると、このあとかなりハイペースにしないと間に合わなくなりそうですね。 

ハイペースにすることで面白くなるのか、それとも説明不足で不満が出てくるのか。 
自分的にはそのあたりも気になってきました。 

 

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八代先生:「結末」を「代償」と言い換えると少し下品に聞こえるかもしれないが

悟の行動は「代償」を得るのにふさわしいものだったってことだ

 

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八代先生:3年前にタバコをやめてから、代償行為としての飴が欠かせなくなった

 

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八代先生:小学校は今日で卒業だけど、みんなまだまだ足りない事だらけだ

それはこの僕もだ

だけどその足りない「何か」を埋めていくのが「人生」だと僕は考える

 

今回出番の多い八代先生ですが、何度も「代償」、「代償行為」という言葉を使っていて、何か強いこだわりのようなものを感じます。

「代償」という言葉の一般的な使い方としては「Aの代わりにBを得る(または失う)」という感じでしょうか。
例えば「がんばって勉強した代償として100点取って褒められた」、またはその逆で「遊んでばかりいた代償として0点取って怒られた」みたいな。

「代償行為(行動)」という場合は、心理学の専門用語として使われる意味になるんでしょうかね。
八代先生の場合で言えば「タバコを吸うのを止めたので、その代償行為として飴を舐めずにはいられなくなった」という場合に使うみたいですね。

(加代母が加代に暴力を振るっていたのも、自分がDV夫に暴力を受けていた悔しさや怒りを晴らすための代償行為だったりするんでしょうかね)。


あと、オリジナルの時間軸(加代とヒロミが殺された後)、悟は事件による精神的ショックと「自分なら事件を防げたはずなのに」という自責の念から、それ以降、心にぽっかり穴が開いたような状態になってしまいました。

そして、卒業式の日に八代先生が語っていたのが「足りない何かを埋めていくのが人生だと僕は考える」という言葉。

この時の八代先生の言葉は、心にぽっかり大きな穴が空いてしまった悟に深い影響を与えていたようです。

悟の「リバイバル」って謎が多いんですけど、この八代先生の理屈で考えると、悟が小リバイバルで度々事件・事故から子供を守るようになったのも、小学5年の時の事件を防げなかったことで空いてしまった心の穴を埋めるための代償行為? のようなものなのでは・・・とちょっと思いました。

心の穴を埋めようとする、無意識的な強い欲求が「リバイバル」能力発現のきっかけだった? ・・・りするんでしょうかね(謎)。

 

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悟:心の中に空いている「穴」を埋めたいって思ったんだ

他人のも、自分のも

 

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善行も悪行も本質は同じ

人が自らの欠陥を補うための行いに過ぎない

 

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心の中の足りない何かを埋められた時

それが最高に幸せな瞬間だ

「探しモノ」を見つけた時、そして「それ」を手に入れた時

困難であればあるほど

難局を乗り越えた時の幸せの度合いは大きいものさ

 

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君はまるで未来でも見てきたかのようだ

 

 

ついに明らかになった真犯人の正体は・・・担任の八代先生でした。

このギリギリまで犯人の正体が明かされないというのも非常に上手い構成・演出だったと思います。
悟の主観視点でストーリーが進行していくので、近くにいるはずなのに正体がつかめない真犯人の不気味さがミステリーを引き立てる魅力になっていました。

ただネットなんて見ていると、ネタバレを避けるのも難しかったりするのですが・・・。
(小説なんかと違って、マンガは画像を見てしまうと一発でネタバレになってしまいますからね)。

でもこの作品の場合、ストーリーも面白いし、原作もアニメも次回への引きの演出が巧みで、自分の場合は真犯人が分かっていても十分すぎるほど楽しめました。

今回のラストで犯人に敗北した悟は、氷の浮いた川に車ごと沈められてしまいました。
「リバイバル」というアドバンテージがありながら、さらに悟の上を行く真犯人の八代先生。
能力が高いだけでなく、悪運も相当強いんでしょうかね・・・。

あと残り2話で八代先生との最終決着まで描かれるのか!?
引き続き楽しみです。

 

 

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