読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

僕だけがいない街 第3話 「痣」 感想

マンガ アニメ

f:id:bokunozakkicho:20160124121912j:plain

3月に失踪した時、雛月はまだ誕生日が来ていなかった。

3月1日から雛月の誕生日までの間に「Ⅹデー」があるんだ。

昭和63年に「リバイバル」する前、犯罪特集のムック本の記事に書いてあった被害者の年齢は、3人とも同学年なのに「雛月 加代」だけ10歳と書かれていました。 

さらに雛月が失踪したのは3月に入ってからだったので、(記事が誤植でないのなら)、雛月が失踪する「Ⅹデー」は3月1日から雛月の誕生日の間という事になります。

ちなみに「Ⅹデー」とは、
『もとは軍事用語で、攻撃作戦実行の日のこととして使われていた。そこから転じて、何か大きなことが起こると予測される日』という意味。

まず事件を防ぐための足掛かりとして、悟は雛月の誕生日を聞き出そうとしますが・・・。

 

f:id:bokunozakkicho:20160124122148j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124122155j:plain

雛月:「藤沼、勝てるの?」

悟:「精一杯走るよ」

雛月:「そう・・・じゃがんばって」

f:id:bokunozakkicho:20160124122241j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124122251j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124122258j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124122303j:plain

体育の授業でスケートの競争をする悟たち。 

悟の相手はアイスホッケーの全国大会で優勝したチームのレギュラー浜田でした。
クラスの女子に囃し立てられて、
「藤沼、勝てるの?」とそっけない口調で悟に声をかける加代。
「精一杯走るよ」と答える悟でしたが・・・。

ところで北海道では体育の授業でアイススケートをやるんですね(スキーとかも?)。 

私は生まれも育ちも関東(東京周辺)なので、こういうローカルな学校の文化の違いって興味深いです。
確かに雪が積もるとグラウンドは使いづらいだろうし、水を張っておくだけでスケートリンクになるんだったらその方がいいかもしれませんね。

毎日練習している全国優勝レベルの浜田より速い悟。 

パッと見あまり運動が出来そうなタイプに見えませんが実は運動能力が高いんでしょうか。
ほぼ勝つ寸前だったのにゴール前で手を抜いて(わざと負けて)浜田に勝利を譲りました。

あまり興味なさそうだった加代も悟が浜田に勝ちそうだったので、思わずちょっとテンションあがりそうなそぶりを見せていたのですが・・・。

f:id:bokunozakkicho:20160124122457j:plain

あたしにウソつかない・・・って、言ったべさ

f:id:bokunozakkicho:20160124122550j:plain

いいよ、もう。ニセモノ同士ウソつきはお互いさまだから

「やっぱり浜田は速かったよ」と話しかけながら誕生日を聞き出すために加代に近づく悟でしたが・・・。 

悟が手を抜いてわざと負けたことに気付いていた加代は、悟を無視してスタスタ歩いて行ってしまいます。

加代は悟に対して「ニセモノ同士」と言っているので、良くも悪くも他のクラスメートよりは悟に対して興味や関心があるようですね。 

似た者同士だから、2話での会話のように「あたしも演じているうちに本当になる気がするよ」と相手の考え方に共感できれば心を開いて仲良くなれるのですが、
今回のように勝てるのにわざと負けるような嫌な嘘の付き方の場合は「同族嫌悪」の感情が湧いてきて(自分の自身の嫌な部分を映す鏡のようなもの?)必要以上にいら立ってしまうんでしょうね。
(別に当事者じゃないんだからそんなに怒ることもないわけだけど)。

ニセモノ同士の同族嫌悪なのであれば、「スケートでわざと負ける」みたいな部分(似ているところ)が加代にもあるんでしょうか?

でも加代は口数は少ないですがズバッと直球で話す性格みたいだし、そんなに似た者同士なのかな?とも思うのですが・・・

「遠慮がち」なところは少し似ているかもしれませんけど、遠慮がちなだけなら他にもクラスに何人かいるんじゃないかと思いますよね。

f:id:bokunozakkicho:20160124122941j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124122946j:plain

加代が誕生日を教えてくれなかったので、担任の「八代 学」の机にあるクラス名簿から加代の誕生日を調べるため職員室に忍び込む悟。

音もなく後ろからポンと肩を叩かれビクッとなっていた悟でしたが、担任の八代先生は加代の誕生日を教えてくれました。 

加代の誕生日は悟と同じ3月2日。 

つまり「Ⅹデー」(加代が失踪する日)は3月1日となる可能性がかなり高まりました

似た者同士で誕生日も同じとか奇遇ですね。どちらも母子家庭だったり、確かに悟と加代は共通点が多いのかもしれませんね。 

f:id:bokunozakkicho:20160124123101j:plain

悟、今日は惜しかったな

何事も「全力」だ

加代のことも頼んだぞ

悟が手を抜いていたことに、八代先生も気が付いていたようです。 

悟の友達のケンヤも悟がわざと負けたことに気付いていたようだし、気が付く人も結構いるんですね。
18年前の過去の時間軸でも悟は同じように手を抜いてわざと負けたため、相手の浜田に、
「俺はお前みたいな奴が大っ嫌いだ!」と胸ぐらをつかまれていました。

18年たってもまた同じ失敗を繰り返してしまった悟。

いい勝負だっただけに、確かにゴール前で手を抜かれたらそりゃムカつきますよね。 

「毎日きつい練習をしている奴に俺が勝ってしまっていいんだろうか・・・」と、
相手に気を使っているつもりでも、やられた方は余計プライドを傷つけられてムカつくわけですね。

10歳の子供の時から相手にこれだけ余計な気を使ってしまう人間は、確かに少し普通ではないですね(大人になると他人との付き合いでこのような気の使い方をする人間が多くなるわけですが)。

遠慮がちというか気を使い過ぎているというか、他人と付き合う事に対して心のどこかに何か「恐れ」のようなものがあるんでしょうかね。

f:id:bokunozakkicho:20160124123611j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124123617j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124123625j:plain

学校帰りに悟は、連続誘拐殺人事件の容疑者として逮捕されることになる勇気の「ユウキさん」と公園で会ったので、彼の家に遊びに行きました。

中身が29歳になった悟にとっても、お人好しでいい人だったユウキさん。 

ユウキさんのアドバイスに従って友達が何人もできた悟に対して、
「悟君が勇気を出したからだよ。みんなと楽しくやろうって気持ちはちゃんと伝わるんだよ」と話します。
加代との接点を探ろうとする悟の問いにも、あっさりと「何度も話したことがあるよ」と話す好青年。
エロ本やエロビデオをすぐに見つかりそうな本箱に並べていて(そこだけカーテンを付けているけどすぐに見つかりそうw)、それを悟に見られて焦っていましたが、エロ本ぐらい誰でも持っているのが普通ですし。

29歳になった悟から見ても、ユウキさんが殺人事件を起こすとは信じられないという結論になったようです。 

逮捕されたユウキさんは無罪を主張しましたが、2006年には死刑が確定し18年間拘置所暮らし。完全に人生を棒に振ってしまいました。
23歳の純朴な好青年だったユウキさんも、18年の拘置所暮らしですっかり心が死んだような無感情・無表情な顔つきに変わってしまいました・・・

f:id:bokunozakkicho:20160124123818j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124123823j:plain

・・・見ないで・・・

閉めて・・・

f:id:bokunozakkicho:20160124123904j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124123909j:plain

「ダ・・・ダメだ雛月!こんな所に居たら・・・」

「来ないで!!」

f:id:bokunozakkicho:20160124123945j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124123950j:plain

あら、どうしたの加代?

また一人でこんな所に入っちゃって・・・

早く家の中に入りなさい・・・

f:id:bokunozakkicho:20160124124021j:plain

(こいつ・・・!)

雛月の・・・その傷は何なの?

f:id:bokunozakkicho:20160124124100j:plain

・・・転んだの・・・

加代の家に来たもののブザーを鳴らしても誰も出てこないので、裏庭に周った悟。 

裏庭には加代のものと思われる毛糸の手袋が燃やされた跡があり、赤いランドセルの中身が裏庭の物置小屋の前にぶちまけられていました。
思わず物置小屋の戸を開けた悟は、母親から虐待を受け痣だらけになった肌着姿の加代を目撃しました。
真冬の北海道で、10歳の子供が肌着姿で物置に放置されているわけですから下手をすれば凍死しますね(死ぬまで行かなくても風邪・病気になったり、かなり体力や精神力を削られると思います)。

悟に気付いた加代は、「見ないで・・・閉めて・・・」と言いますが、悟が自分のコートを身体に掛けようと近づいてきたので、 

「来ないで!!」叫びました。

普段はほとんど感情を表に出さず、表情も変えず淡々としている加代でしたが・・・ 
母親に虐待を受けている現場を、思いがけずクラスメートの悟に見られて感情も露わに悟を拒絶します。


加代の母親は虐待の現場を見られているのに全く悪びれることもなく開き直った態度。

「その傷はどうしたの?」と聞く悟に対して 、 

「・・・転んだの・・・」と、感情を抑えた声で加代は答えました。

悲しい嘘をつく雛月に、かけるべき言葉が見つからなかった

その目はもう、俺の方を向いてはくれなかった

加代は自分が母親から虐待を受けている姿を見られて「見ないで・・・」と言っていました。 
加代にとっては「自分が母親から虐待を受けている」という事実は、他人に「見られたくない」「知られたくない」事実なんでしょうか。


他人に隠そうとする理由・・・。 
原作に少し説明があったのですが、虐待を受けている子供は親を庇おうとする傾向にあるそうです。「自分が悪い子だからだ」と思うように仕向けられているのだとか。「自分のせいではない」ことを分からせるのに時間がかかるそうです。


加代にとって「ニセモノ」「ウソつき」とは何なのか・・・ 
よく分からないので勝手な解釈ですが、「見られたくない・知られたくない」自分の秘密(心の傷・トラウマ)を隠し持ったまま、学校のクラスのような人間の集団に属している人のこと? なのでしょうか。 

なぜ隠しているのかというと、それは「自分の心に踏み込むのが怖いから」、自分の秘密を隠したまま「他人の心に踏み込むのが怖いから」・・・なのかな、と考えてみましたが、理解の仕方は人それぞれでどうにでも解釈できそうだし、よく分かりませんね・・・。

悟の場合も小学5年の時の事件によるトラウマだけでなく、それ以前から何か「自分の心に踏み込めない」心の傷があったみたいですね。
まだオムツをはいているような幼いころ(2~3歳?)、離婚して車で去っていく父親を悟が追いかけるシーンが時々挿入されるのですが、幼いころ父親に捨てられたことが悟の対人関係におけるトラウマになっているのでしょうか。 

トラウマを隠し持った人間が、人の集団に属していても、周りの人間と真に心を開いて打ち解けることもできないし、興味もないのに他人と関わらなくてはならないので、適応しようとすればするほど「ニセモノ」っぽくなってしまうんでしょうかね。
(個人の生まれつきの気質も関係すると思いますが)。

現状では、同じ「ニセモノ同士」といっても悟より加代の方がはるかに危機的な状況だと思いますけどね・・・。

f:id:bokunozakkicho:20160124125033j:plain

月曜日に加代がいつも遅刻してくる理由・・・
それは土曜日が母親が加代の顔を殴る日だったからでした。
(土・日から月曜の朝の間に顔を冷やして痣や腫れを目立たなくする)。

加代が母親から虐待を受けていることを担任の八代に訴える悟でしたが、八代は去年の5月ごろから虐待に気付いていたとのこと。児童相談所にも連絡していたが、相談所の職員が家を訪問しても母親も加代もいつも留守でまだ一度も面談が行われていないとのことでした。

思わず「なんだそりゃ使えねえな」と思ったことが声に出ていた悟。

担任の八代先生は観察力が鋭く周りのことを見ていてよく気が付くし、「話が分かる」良い先生のようではあるのですが・・・。

f:id:bokunozakkicho:20160124125120j:plain

失くしたんじゃなくて盗まれたんだと思います!

雛月さんが怪しいと思います!

f:id:bokunozakkicho:20160124125146j:plainf:id:bokunozakkicho:20160124125152j:plain

うるせえ!! 貧乏だろうが空腹だろうが

雛月が他人のモン盗るわけねーだろうが!!

f:id:bokunozakkicho:20160124125447j:plain

虐待の現場を見てしまった事で気まずくなった悟と加代の関係でしたが、
給食費が盗まれた」という騒動が起きて、クラスのイジワル女子「美里」によって犯人扱いされそうになった加代。

その日、日直だった悟と加代が給食費を集めたのですが、仕舞っておいた悟の机の中から給食費が消えてしまいました。 
「雛月さんは給食食べているのにお金払ってないし。ビンボーな人が犯人だと思います」と加代を犯人扱いする美里。

それぞれ自分の持ち物を探してみると加代のランドセルから給食費が出てきました。 
「ほらやっぱり!」と加代を吊し上げようとする美里でしたが・・・

「うるせえ!! 貧乏だろうが空腹だろうが雛月が他人のモン盗るわけねーだろうが!!」と、悟はすかさず全力で加代の味方をしました。 

f:id:bokunozakkicho:20160124125632j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124125637j:plain

放課後、残って日直の仕事でゴミ捨てに行く途中、「藤沼・・・さっきはありがとう」と加代は悟にお礼を言いました。

なんでも美里とは小学3年の時から因縁があり、加代が使っている短くなった鉛筆をあんまり美里が馬鹿にするので、加代は美里の自慢のシャープペンを窓から捨てたことがあるとのこと。それ以来美里は加代のことを嫌っているとのことです(こういうイジワル女子って居たなあ・・・。見栄っ張りで、別に悪人というわけではないんですけどね)。

でも一度、美里の家のクリスマス会に招待してくれたことがあって、「大きなツリーを自慢するためだったけど、綺麗だった」のだとか。

f:id:bokunozakkicho:20160124125828j:plain

悟:「今日これから見に行かない?クリスマスツリー」

加代:「バカなの?」

f:id:bokunozakkicho:20160124125929j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124125951j:plain

f:id:bokunozakkicho:20160124130114j:plain

悟:「ほら・・・着いた。クリスマスツリー」

加代:「バカなの? ・・・2月だよ」

f:id:bokunozakkicho:20160124130146j:plain

悟:「夏になったらまた見に来よう。このクリスマスツリー」

加代:「バカなの?」

 

美里のクリスマス会のクリスマスツリーがきれいだったと話していた加代。
悟は子供の頃よく遊んでいた山の上の大きな木のことを思い出し、
「これからクリスマスツリーを見に行こう」と加代を誘いました。

クリスマスじゃないのにクリスマスツリーというのも何か変ですけどね。
「バカなの?」と興味なさそうに無感情に答えた加代でしたが、悟に手を引かれて山の上の大きな木に向かいます。
「バカなの?」3連コンボでしたが、無感情な表情・言い方だったのが、最後は本当に嬉しそう・楽しそうに「バカなの?」と言っていた変化がよかったですね。

女子は今も昔もクリスマスツリーとか好きなんでしょうか。
女の子の気を引くにはクリスマス関係は必須という感じがします。
(クリスマスをバカにしていた時期が私にもありました)
男子は「ドラクエⅢ」に夢中だった年代ですから、
10歳の頃の悟ではこんな気の利いたことできるわけないし、中身が29歳の悟だからできたことなんでしょうね。
(10歳当時は加代の方が大人びていて、10歳の悟には加代を理解し切れなかったし心を開かせることもできなかったわけですね)
加代のような難しい女の子の心を開かせることができるのだから、悟は実は結構すごい奴ですよね。

「夏になったらまた見に来よう。このクリスマスツリー」という、悟との少し先の未来への約束に思わず声を弾ませて「バカなの?」と答えていた加代でしたが・・・
果たしてこの約束は果たされるのでしょうか・・・?


ところで、悟の加代に対する感情は父性=子供を守りたい(+友情)なのかなと思うのですが、その割には恋愛関係っぽい描写が多いですね(初恋のような淡い疑似恋愛関係で話を進めた方が面白いのでいいとは思うのですが)。

あと、今回のラストの引きもかなり気になるものでした。
八代先生とケンヤが夜の職員室で二人だけで何か話をしていましたが、
その時のBGMがいかにも怪しげで・・・
原作は次の8巻で完結らしいのですが、アニメも本当に最後までやるのか?ということも気になってきました。
(全12話でまとめられるのかな? という、アニメスタッフの手腕に期待ですね)。

引き続き第4話も楽しみです。

 

 

関連記事

外伝感想

「僕だけがいない街 Re」【雛月加代】 外伝 感想

「僕だけがいない街 Re」【小林賢也(前編)】 外伝 感想

「僕だけがいない街 Re」【小林賢也(後編)】 外伝 感想

「僕だけがいない街 Re」【藤沼佐知子】 外伝 感想

「僕だけがいない街 Re」【片桐愛梨】 外伝 感想

マンガ 「僕だけがいない街8巻」(完結) & 全体的な感想

 

アニメ感想

僕だけがいない街 第1話 「走馬灯」感想

僕だけがいない街 第2話 「掌」 感想

僕だけがいない街 第3話 「痣」 感想

僕だけがいない街 第4話 「達成」 感想

僕だけがいない街 第5話 「逃走」感想

僕だけがいない街 第6話「死神」 感想

僕だけがいない街 第7話「暴走」 & 第8話「螺旋」感想

僕だけがいない街 第9話「終幕」 & 第10話「歓喜」感想

僕だけがいない街 第11話「未来」 & 第12話「宝物」感想